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本のタイトルは大事だな…
生物と無生物の「あいだ」について知りたかったが、
そのような情報は得られなかったように思う。
帯で推薦文を書いている面々がトンデモな人ばかりだったのにはちょっと笑った。
DNAの叫び
生物とはなにか、それは自己複製するシステムであり、動的平衡にある流れである。というような生物のありようをただただ物語るように記してある本書である。
自己複製して動的平衡にあるならば、アルツハイマーのような脳の細胞異常の研究の進捗状況も記されていると思ったが、脳自体が特殊でアミロイド前駆体というタンパク質が構造以上を起こし、脳の内部に蓄積する。つまり脳内では一度死んだ細胞はもとに戻らないというわけだ。
実験の結果を元に理論で定義つけられ解明されている動的平衡にも、定義づけられない超生命体があることを思い知ることになった。
顔に似合わず…
自分がこの本を読みたいと思ったのは、NHKで爆笑問題の番組に著者が出演していたのをたまたま観て『この人面白い人だな…』と感じたこと。
見た目はパッとしないが、喋ると人を惹きつける。
著書を読むと、その人となりをもっと知りたくなる。
そんな文章だった。
その文章。
実験ひとつにこんな壮大なバックボーンがあるのかと驚かされる。
20世紀とはなんとすごい100年だったのかと驚かされる。
人間とは何と万能で何と無能なのかと驚かされる。
そして、科学者とは何とロマンチストなのかと驚かされた。
特にあとがきはこの本のエッセンス、というかこの著者のエッセンス(原点)が詰まっていた。
先に読めば本文へ興味がわく。
順番通りに読めば朝霧が晴れるように著者の心理が理解できる。(気がする?)
あとがきだけでもエッセイとしてお勧め。
顔に似合わずロマンチスト
そんな著者像が自分の中に出来上がった。
情緒的かつ人間的な、素晴らしく美しい本だった。賞も、売れているのも納得。
素晴らしい美文。生物や生物学について、これだけ美しい文章で読めるのは、とても幸せなことだと思う。
生物の研究なんて、とてもドライで理詰めなイメージがある。完全理系というイメージ。
しかし、この本は美しくて情緒的かつ人間的。そして、研究の一番乗りを目指すような競争についてなどは、スリルも感じさせる。
僕自身は読み返すことはないかもしれない。しかし、多くの人に読んでみてもらいたい本だ。こういった本が世の中に増えることを望む。
賞をとるのも、売れているのも、まったく納得できる。
研究で生きていこうと思っている人には、最適な本だ。
この本には、こういう静謐なトーンで、美しい、人の心に働きかける文が書ける人間になりたいと思わされた。
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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)のもっと詳しい説明は